_2004年9月4-5日(土・日)

JGR的取材紀行 〜 高山本線満喫紀行_




 高岡1538発。北陸本線のもうひとつの代表形式、415系に乗車。


 金沢駅の2〜3駅手前から、建設中の北陸新幹線の高架橋が合流し、1620金沢駅の切欠式ホームに到着。


 金沢駅では「サンダーバード」「はくたか」「しらさぎ」といった同一形式の特急がひっきりなしに発着しており、さながら新幹線のホームのようだ。
 1620の時点で金沢止まりの「はくたか10号」及び越後湯沢行の「はくたか17号」が停車中。1620「サンダーバード25号」が到着、同1625発車。1623には、和倉温泉からやってきた「はくたか」が「はくたか17号」に増結。といった流れを見ることができ、壮観。
 増結作業では、作業帽をかぶった係員が無線機を片手に「あと4m・・・3m・・・やわー、やわー」と言っていたが、あまりやわやわではない衝撃で連結が完了していた。

 駅弁「利家御膳」を購入し、小松行きに乗りこむ。発車してまもなく、今日初めての直射日光を車内で浴びる。


   


 


 金沢1620発。さきほどと同じ415系だ。加賀温泉までの45分間、特急街道をまったりと走る。カーブ上にある寺井駅では、停車するとカントのキツさでそれを実感。


 加賀温泉というのは「加賀温泉」という温泉があるのではなく、山代・山中・片山津・粟津の各温泉が集まった温泉郷の総称であることを、駅に着いて初めて知ったのだが、とりあえず、駅に着いたらなんとかなるだろうと考えていた我々に、1730発の山代温泉方面行きのバスが待っていた。行き当たりばったりでバスに揺られて15分。山代温泉の中心にある「温泉浴殿」に入る。滞在時間約1時間だったが、古き良き銭湯は、350円で心身ともに温まった。


 加賀温泉駅に戻り、1908発「サンダーバード46号」を待つ。EF81率いるコンテナ列車が、轟音と共に通過してゆく。夜の貨物列車はなんとも頼もしさを感じる。


 今回2回目となる特急で武生までワープ。自由席はほぼ満席だったが、なんとか通路を挟んで同じ列のB・C席に並んで座ることができた。駅で買ったばかりのビールで風呂上がりの乾杯。


 武生1940着。ホームの向かいには普通列車が待機しており、2分の接続で大手私鉄なみのスムーズさだ。

 特急を見送り、1942発。すっかりなじみとなった415系、大きな前照灯は大阪ではあまり見かけなくなったが、愛嬌があって良い。長い北陸トンネルを10分かけて抜けると、2012敦賀に到着。


 乗換え時間が25分ほどあるので、地下道を通って改札口へ出てみると、なにやら騒がしい。「地震で金沢方面の列車が10分遅れ」といった内容だった。どこが震源地なのか、米原方面の列車は動いているのか、様々な不安がよぎる。名古屋あたりで震度3から4くらいあったようだ。長浜行きは何事もなかったかのように敦賀駅に入線。後で知ったが、和歌山沖を震源とした震度5弱のかなり強い地震だった。


 敦賀2037発。北陸本線のシメは、食パンこと419系だった。3段寝台の構造が残る座席は、シートピッチが広く、普通列車としては上等である。乗っていて気づいたのだが、この車輌、ロールカーテンの付いた窓の開く座席と、通常のカーテンが付いた固定窓の座席が交互にならんでいる。各駅停車の旅を満喫したいなら「窓開き席」を、特急ムードを楽しみたければ「固定窓席」、さらに現実に戻りたければロングシートを選べるという、なんとも欲張りな車輌だ。




 車内で、金沢駅で買っておいた駅弁「利家御膳」を開ける。二重の重箱になっており、上段には季節野菜の煮付けや生麩・鰻などが、下段には瓢箪型の白飯と炊込み御飯に加え、ふかふかの一口饅頭がおさめられている。かなり楽しめた一品だった。北陸本線名物のループ線を楽しみつつ(ただし真っ暗)、暗闇から忽然と姿を現した新疋田駅も確認しつつ、地震の影響などは特になく、長浜に定刻通りの2120着。




 長浜2125発。旅のアンカーはJR西日本が腕によりをかけたアーバンネットワークの雄、新快速。今日最も長時間乗車する列車でもある。ちなみに昨日も最長時間乗車した区間は新大阪〜米原だった。車内に入った瞬間、もう近所まで帰ってきたような錯覚を覚えるが、ここは大阪から114kmも離れた地。あらためて新快速の守備範囲の広さに驚かされる。

 8両編成なのだが、長浜では半分の4両でも充分なくらいガラガラだった新快速だが、米原に着くや、連絡している豊橋からの新快速が向かいのホームに到着。乗換え客で座席はほぼ埋まった。彦根からは立客も出始める。京都駅到着直前に、列車のスピードが急に落ち、のろのろ運転の区間もあったが、それも束の間、地震による影響はほとんどなかったようで、新大阪到着が5分ほど遅れた程度だった。(この後、地震の影響で最大70分ものダイヤの乱れが起きている)


 こうして、走行距離783.8km、正規運賃・料金にして12,280円の所、青春18きっぷ+特急利用の合計8,280円と、ちょうど「4,000円お得」の節約旅行は無事に幕を閉じた。

 2004年10月に開業70周年を迎える高山本線は、古き良き構造物が理想に近い状態で保存されている、優良非電化路線と思えた。新幹線は別格として、人口が少ない地域を多く持つJR東海にとって、観光路線の存在は重要な位置づけだろう。特急は「ワイドビュー」ブランドを確立し、観光客を惹きつける魅力を持っている。普通列車は区間別に細かな輸送体制をとっており、きちんと合理化が進められている。JR東海の取り組みが、利用者が魅力的に思える「サービス」を都市部と山岳部できちんと使い分けられていることの現れだろう。このような企業精神をこれからも保ち続けてほしいと切に願う次第である。





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Updated at 9th SEP 2004